蔵の春

肥後守・肥後ナイフ・電工ナイフetc

「觀龍」肥後守2

「觀龍」肥後守

 今回は、先日参加したウォーキングイベントの途中、コース沿いの古い金物店で見つけた箱入りの「觀龍肥後守」を紹介する。

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 金物店は間口二間ほどの小さな店舗で、薄暗い店内には埃を被った古い商品がたくさん並んでいた。店内に人がいる気配がないので「こんにちは」と声をかけると、店の奥のドアから年配の女性が出てきた。「肥後守はおいてないですか」と尋ねると「ありますよ」とのこと。女性が指差すドアの横の棚を見るとナイフが収められた箱が幾つか積まれていた。

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 その中に見覚えのあるデザインの大箱を2つ見つけた。「觀龍肥後守」だ。一方に大大サイズ、もう一方には大サイズの判が押されている。神奈川県厚木市金物店で見つけた「山正」肥後守の特大を除き、金物店でこれまで見かけたのは「カネ駒」「肥後隆義」「肥後ノ王様」「宗近肥後ナイフ」「銀峰肥後ナイフ」で、「觀龍肥後守」はこの店が初めてだった。

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 いつ頃に入荷したものだが聞き忘れたが、箱は埃を被っておらず比較的きれいで、これまでに箱が開けられたような形跡もなかった。許可を得て縛ってあった紐をほどいて蓋を開けると、小箱入りの「觀龍肥後守」が10本ずつ収まっていた。

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 「觀龍肥後守」は蒐集したものが何本かあるが、金物店で見つけた箱入りのデッドストックなので記念に1本ずつ購入した。ちなみに価格は大大が1250円、大が780円。ヤフオクの落札価格ではなく正規の販売価格が分かったことは収穫だ。

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 家に帰って商品を確認すると、錆は出ておらずベストコンディションの状態を保っていた。ただ、大大サイズの鞘長を計ってみると特大サイズの12.2㌢だった。大箱に押す判を間違えたのかもしれない。
 刃材はいずれも割込。座金は両面とも真ちゅう製の少し厚めの平座金。チキリはバランス良く丁寧に打たれている。間違いなく上質の肥後守だ。