蔵の春

肥後守・肥後ナイフ・電工ナイフetc

2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「肥後祐定」

「肥後祐定」 肥後ナイフというと一般的に学童用というイメージが強いが、この「肥後祐定」は作りや形状から“これぞ肥後ナイフ”といった大人の風格を感じる。 刻印は、「割込正鋼」、丸の中にカタカナの「サ」のマーク、その下に「登録」「肥後祐定」が打っ…

「カネ利」割込肥後

「カネ利」割込肥後 この「カネ利」は、定規付き工作ナイフとして販売された学童用の廉価版の肥後ナイフのようだ。 刻印は「商標」と逆Lの中に「利」、その下に細めの明朝体で「割込肥後」が打ってある。なかなかバランスの取れた刻印だ。鞘裏には5㌢の定…

縦折り鞘の肥後守「石切丸」

縦折り鞘の肥後守「石切丸」 この「石切丸」は、「カネ駒」の永尾駒製作所が製作した縦折り鞘の肥後守で、小ぶりだがなかなかの逸品だ。 刻印は、鞘表に明朝体で「割込」「肥後守」「石切丸」が鮮明に打たれている。さらに鞘裏の中央に「割込正鋼」、刃の根…

「朝日肥後」

「朝日肥後」 この「朝日肥後」は、おそらく学童たちの鉛筆削り用に製造販売されたと思うが、マークが銘を象徴している面白い肥後ナイフだ。 刻印は、朝日の下に山形と「出」のマーク、「朝日肥後」が打たれている。「山から出る朝日」を象ったマークのよう…

「銀峰肥後ナイフ」栓抜き付き

「銀峰肥後ナイフ」栓抜き付き 「銀峰肥後ナイフ」は、「宗近」の代表的なOEMの一つだが、この栓抜き付きは全体的にしっかりとした作りで、OEMの中では比較的に上質の肥後ナイフだろう。 鞘長10.4㌢の大大サイズで、鞘材はステンレス製の光沢と半光沢…

「パイロットナイフ」2徳

「パイロットナイフ」2徳 これはパイロット用のポケットナイフということはないだろうが、何となく男の子の心をくすぐる銘かもしれない。 銘は、「パイロットナイフ」のみが打たれている。ナイフとノコギリの2徳タイプで、ノコギリは途中で折れてしまった…

「高級肥後司」

「高級肥後司」 この「高級肥後司」は、肥後ナイフ「肥後司」のオリジナル銘のうちの一つと思われる。 刻印は、クラウンのマークと「高級肥後司」が鮮明に打たれている。このクラウンのマークは、最高級を意味しているものなのか分からないが、デザインがシ…

「大和」肥後守

「大和」肥後守 この「大和」は、読み方が「やまと」なのか「だいわ」なのか分からないがしっかりとした作りの実用的な肥後守だ。 1枚目の写真の2本は、刻印が一番上に「大和」、その下に桜の花びらのマーク、「登録」「肥後守」が打たれている。サイズは…

「マンモス小刀」2徳

「マンモス小刀」2徳 これもなかなかユニークな銘の2徳ナイフで、学童の工作用として製造されたものだろう。 刻印は、「高級」「マンモス小刀」、その下に「100」が打ってある。時たま銘の末部にこうした数字が打たれているものがあるが、鞘長や刃のサイズ…

縦折り鞘の「桜誠」肥後守

縦折り鞘の「桜誠」肥後守 この「桜誠」は、オーソドックスなタイプの縦折り鞘の肥後守で、一見して少し地味だが作りは堅牢で実用向きだ。 1枚目の写真は、鞘長9.7㌢の大サイズ。鞘材はステンレス製のようだ。刃材は割込で、刃厚は2㍉。刃の鍛接線がきれい…

電工ナイフ「江戸駒」

電工ナイフ「江戸駒」 この「江戸駒」は、ナイフマガジン(No.116)の特集「電工ナイフ・海軍ナイフ」によると昭和30~50年代に篠田工業が製造したものらしい。 ブレイドは、やや先の尖った角刃タイプで、ブレイドに笹葉のネイルマークと小さめに「登録」「…

「赤穂守義雄」

「赤穂守義雄」 この「赤穂守義雄」は、銘に「肥後」を使っていない肥後ナイフの一つで、「赤穂」を名乗っているのは知る限りこの「義雄」のみ。おそらく兵庫県赤穂市の製造元の製品だろう。 1枚目の写真の上は、鞘長9.8㌢、下は8.1㌢。鞘材はどちらも半光…

「美濃虎徹」

「美濃虎徹」 いかにも研ぎ澄まされた日本刀のようなイメージを受ける銘だが、残念ながら作りは華奢で学童用の廉価版のナイフのようだ。 刻印は、大きめに「美濃虎徹」のみが打たれている。鞘長8㌢。鞘は真っ黒い艶消しの塗装が施されているが、意図的か偶…

縦折り鞘の「丸繁」肥後守

縦折り鞘の「丸繁」肥後守 この「丸繁」肥後守は、カネ駒に代表される永尾駒製作所のOEMの一つとされている。 刻印は、「高級」と丸の中に「繁」のマーク、その下に「商標登録」「肥後守」が太めの明朝体でしっかりと打たれている。刃の根元には小さい「…

「光和肥後」

「光和肥後」 この「光和肥後」は、珍しいマークに加えてナンバーが打ってある面白い刻印の肥後ナイフだ。 刻印は、「商標」と2本の折りたたみナイフが山形に重なった中に漢数字の「一」のマーク、「光和肥後」、その下に「No.75」が打ってある。折りたたみ…

「觀龍」肥後守2

「觀龍」肥後守2 今回は、先日参加したウォーキングイベントの途中、コース沿いの古い金物店で見つけた箱入りの「觀龍肥後守」を紹介する。 金物店は間口二間ほどの小さな店舗で、薄暗い店内には埃を被った古い商品がたくさん並んでいた。店内に人がいる気…

「ナポレオンナイフ」

「ナポレオンナイフ」 肥後守や肥後ナイフを蒐集していると、いつの間にか類似したナイフも集まって来る。この「ナポレオンナイフ」もその内の一つで、こうしたナイフもたまに紹介していくことにする。 1枚目の写真の上は、真ちゅう製の鞘の高級版か。前の…

「菱M」肥後守

「菱M」肥後守 以前に「菱MS」マークの肥後守を紹介したが、今回はよく似た「菱M」マークの肥後守を取り上げる。 刻印は、菱形の中に「M」のマークと「登録」「肥後守」が打たれている。こうした鮮明な刻印を見ると、丁寧に作られていたことが分かるが…

「肥後二葉鳩」2種

「肥後二葉鳩」2種 今回は、多目的ナイフ「肥後二葉鳩」の2種類を紹介する。学童向け廉価版の工作ナイフといったところか。 1枚目の写真は、ナイフとノコギリの2徳タイプ。刻印は「登録」、翼を広げた鳩の下に二葉のマーク、「肥後二葉鳩」が打たれてい…

「一文字國俊」

「一文字國俊」 この「一文字國俊」は、どことなく銘に切味を強調したい製造元のこだわりを感じる肥後ナイフだ。 刻印は、「登録」、松葉菱にような紋の中に「上」のマーク、その下に草書体で「一文字國俊」が打たれている。松葉菱に「上」のマークは「播磨…

縦折り鞘の「肥後憲光」

縦折り鞘の「肥後憲光」 この「憲光」は、戦後に作られたものだと思うが、縦折り鞘としては作りの良い肥後ナイフだ。 銘は「正鋼」「割込」、その下に「元祖」「肥後憲光」が打ってある。この元祖は何を示しているのだろうが。肥後ナイフの元祖ということか…

電工ナイフ「丸敬」

電工ナイフ「丸敬」 この「丸敬」は、見るからに貫禄のある完成度の高い電工ナイフで、使い勝手も良さそうだ。 グリップはジグドボーン製で、鞘長11.5㌢。尻から口金(ボルスター)に向かって幅が直線的に細くなっている。口金は真ちゅう製ではなく、飾り気…

「カネ正」肥後北島丸

「カネ正」肥後北島丸 なんだか船の名前のような「肥後北島丸」。サイズの割に堂々とした刻印の肥後ナイフだ。 刻印は、逆Lに「正」のマーク、その下に大きく太めの明朝体で「肥後北島丸」が打ってある。カネ正のマークと「北島丸」に該当する製造元は不明…

「東駒」少年ナイフ

「東駒」少年ナイフ この「東駒」少年ナイフは、銘の通り学童用の廉価版の肥後ナイフだ。子供の頃に使っていた筆箱に眠っていたものだろうか。 刻印は「登録」、将棋の駒の枠の中に「東駒」のマークと「少年ナイフ」、その下に“入り山形”に「久」のマークと…

「義明」肥後守

「義明」肥後守 この「義明」は、作りからして上質な肥後守の部類に入ると思うが製造元は不明だ。 刻印は、細くてシャープな明朝体で「義明」、「商標登録」「肥後守」が打ってある。文字バランスもよく鮮明で、刻印一つとっても丁寧に作られたことが分かる…

「日向守」

「日向守」 この縦折り鞘の「日向守」は、銘が「肥後守」ではなく独自に「○○守」と名乗るものの中でも珍しい銘だ。 刻印は、二重の菱形紋の中に「人」のような文字が入ったマーク、その下に薄らと「正鋼」らしき2文字、そして「日向守」が打たれている。鞘…

「肥後博正」

「肥後博正」 この「肥後博正」は、これと言った特徴もなくごくありふれた学童用の廉価版の肥後ナイフだ。この手のものは意外と数が多く、銘以外での識別がなかなか難しい。 刻印は「正鋼」と「肥後博正」が打たれている。「博正」をネットで検索や資料を見…

「肥後守久宗」

「肥後守久宗」 この「肥後守久宗」は、数ある肥後守の中でも極上の逸品だ。製造元は分からないが兵庫県三木市産であることは間違いない。 刻印は2種類あり、1枚目の写真の3本は丸の中に「TA」のマークが入ったもの。マークの下に「割込」「肥後守久宗…

電工ナイフ「美濃駒」

電工ナイフ「美濃駒」 この「美濃駒」は、銘からして刃物の産地・岐阜県関市あるいはお隣の美濃市辺りの刃物製作所が製作した電工ナイフだろう。 刻印は、ブレイドに小さめに草書体で「美濃駒」のみが打たれている。刃材は全鋼のようで、刃厚は3.5㍉。少し大…

タガネ彫りの肥後守

タガネ彫りの肥後守 今回は、以前にも紹介したが「肥後守」の銘をタガネで彫った縦折り鞘を紹介する。 鞘表には「商標登録」の刻印があり、その下にタガネ彫りで「肥後守」の文字が刻まれている。「肥後守」の商標登録は1910年(明治43年)で、刻印とタガネ…