2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧
電工ナイフ「氏房」 この「氏房」は、先に紹介した「元駒」や「仙蔵」「玉廣」と並ぶジグドボーンのグリップの代表的な電工ナイフだ。 ナイフマガジン2006年2月号の特集「電工ナイフ・海軍ナイフ」(後編)によると、「氏房」は三光商会の登録商標で、元々…
肥後ナイフ「肥後菊菅」 この「肥後菊菅」は、縦折り鞘のものとしては実にしっかりとした作りで、何とも言えない風格がある。真ちゅう製の鞘のいわゆる高級版というよりは実用向きの肥後ナイフだ。 刻印は「正鋼」「割込」、その下に「登録」「肥後菊菅」と…
「肥後守を研ぐ」その3 今回は、「その2」で紹介した岩石を採取してきた神奈川県西部の沢の支流で見つけたものを紹介する。 沢の支流をハンマー片手に歩いていると、見るからに妖しい色の岩石が目に入ってきた。どうやら地層が露出しているのではなく、川…
「銀峰肥後ナイフ」 この「銀峰肥後ナイフ」は、ヤフオクなどで肥後守や肥後ナイフを蒐集していると何となく自然に集まってきてしまう銘の一つで、私の蒐集品の中で最も数が多い。 1枚目の写真の上2本は特大サイズで、下が大大サイズ。特大サイズは刃幅が…
「神代」肥後守 縦折り鞘の肥後守は、比較的きれいに研ぎ減りしたものが多い。それだけ大事に使う人が多かったのだろう。この縦折り鞘の「神代」肥後守もその一つだが、ちょっと謎めいている。 刻印は「神代」と「登録」「肥後守」が打ってある。刃はだいぶ…
電工ナイフ「本徳」 この「本徳」は、戦後に製作された電工ナイフの一つだと思うが詳細はよく分からない。 ブレードは、やや細身の丸形ともドロップポイントとも言えるような特徴的な形状。それぞれ研ぎ減りしていているので違う形状のブレードに見えるが、…
「肥後常正」 この「常正」は、廉価版の肥後ナイフの一つだ。 1枚目の写真の2本は、そこそこの作りだが、チキリの成形が別物のように異なっている。下の方が丁寧な仕上がりで、競合相手が多かった頃のものだと思う。 2枚目の写真の2本もチキリだけを見る…
「菱TO」肥後守 この「菱TO」肥後守は、縦折り鞘としては実用向きの肥後守だ。 1枚目の写真で3本を見比べてみると一目瞭然だが、刃の反りがやや強い。いずれも元の所有者が丁寧に研いで使っていたようだ。3本目はだいぶ研ぎ減りしているものの、それ…
電工ナイフ「玉廣」 この「玉廣」は、見るからに使い勝手が良さそうな幅広のブレイドの堅牢な電工ナイフだ。 刻印はブレイドに「玉廣」のみが打たれている。グリップはジグドボーン製で、先に紹介した「仙蔵」によく似ている。滑り止めの彫りはやや「玉廣」…
肥後ナイフ「獅子王丸」 今回紹介するのは「獅子王丸」という勇ましい銘の肥後ナイフ。正体不明だがなかなか味がある。平安時代に源頼政が都を騒がせた鵺を退治したとき、鳥羽天皇から賜ったという太刀「獅子王」にあやかったのかな。 1枚目の写真の上は、…
「丸三」肥後守 この「丸三」肥後守は、縦折り鞘であるこことからおそらく戦前に製作された一つだろう。 1枚目の写真のものは、「別打」と丸に漢数字の「三」のマーク、「登録」「肥後守」の刻印がある。2枚目の写真のものは「本刃」と丸に「三」のマーク…
電工ナイフ「仙蔵」 この「仙蔵」は、電工ナイフの代表的な銘の一つだが詳しいことは分からない。作りは丁寧で電工ナイフの定番のような雰囲気がある。 刻印はブレイドに「仙蔵」、リカッソに「割込」が打たれている。グリップはジグドボーンで、滑り止めの…
「御剱」肥後守 この肥後守は、初めに手に入れたのが丸囲みの「御剱」のマークのものだったので、崩し文字が読めなかった。その後に丸囲みなしのものを入手してどうやら「みつるぎ」と読むらしいことが分かった。肥後守・肥後ナイフには、銘を読めないものや…
「山一」肥後守 この「山一」肥後守は、縦折り鞘のものとしては上質の部類で、縦折り鞘の最盛期の頃に作られたものではなかろうか。 鞘表に「鋼割込」、2つ重ねの山に漢数字の「一」のマーク、「登録」「肥後守」の刻印が打たれている。刻印の文字は細めだ…
電工ナイフ「美鈴駒」 この電工ナイフはそれほど古いものではないと思う。一般的な木製グリップの電工ナイフに比べて各パーツが個性的だが、全体的にどことなく木製グリップの「本駒」に似ている気がする。 まずはグリップだが、初期の頃のスタッグホーンの…
肥後ナイフ「肥後三菱」 「肥後三菱」は、学童用の肥後ナイフの一つだ。今日では筆記用具といえばほとんどがボールペンやシャープペンシルだが、子供の頃は鉛筆が主流で、その一つに「三菱鉛筆」があった。いつものように勝手な憶測だが、この肥後ナイフの銘…
「肥後守を研ぐ」2 今回使った砥石は、神奈川県西部にある実家の菩提寺近くの山から採取してきた。そんなに固いものではなく泥岩だと思うが正確には分からない。 この付近は、沢やその支流、林道沿いの何カ所かにこの岩石の層が露出しており、場所によって…
「秀正」肥後守 縦折り鞘の肥後守には、何やら由緒ありげな銘のものが多々ある。この「秀正」もなんだか品格のある肥後守だ。 鞘表に「別性」、桔梗の紋の中に「秀正」のマーク、「登録」「肥後守」の刻印が打たれている。全体にやや小文字で上品な感じを受…
電工ナイフ「元駒」 この「元駒」は電工ナイフの大御所で、今回はジグドボーン製のグリップのものを紹介する。 このタイプの特徴は、何といっても分厚いブレイドで、根元の付近で刃厚が5㍉もある。見るからに堅牢な作りで風格すら感じる。2枚目の写真の下…
「肥後常盛」 この肥後ナイフは、これと言った特徴はないが肥後ナイフの中では「肥後隆義」と並び上物の部類に入ると思う。サイズも特大や珍しい大大、さらに大・中・小とバリエーションが豊富だ。 2枚目の写真の1番上は特大サイズで、次が大大サイズ、下…
肥後守を研ぐ 子供の頃は、愛用していた肥後守が切れなくなると、刃を平たい石で研いでいた記憶がある。刃に擦過痕が残ろうがとりあえず切れれば良かったので、研ぐ石に拘りはなかった。 蒐集した肥後守や肥後ナイフは、入手時に状態の悪いものも多いので手…
タガネ彫りの肥後守 肥後守の中には「肥後守」の銘を刻印ではなくタガネで彫り込んだものもあり、今回はその内の1本を紹介する。 鞘は縦折りで、刃の形状はトンガリ刃であることから、製作期は肥後守の初期だと推測する。人気上昇とともに需要が増えて量産…
電工ナイフ「兼房」 これまで取り上げた電工ナイフは、ジグドボーンやスタッグホーンのグリップが多かったので、今回は木製グリップの「兼房」を紹介する。 グリップ材は、いずれも同じ材質で樫かもしれないが正確には分からない。やや細めで手に馴染みやす…
「山平」肥後守・後期 先に「山平」肥後守の横折り鞘の前期(古いもの)を紹介したが、今回は後期のものを紹介する。前期と後期に分けたのは、座金の形式が途中で変わったことから勝手に製造期を区分けさせていただいた。 前期のものは、両面とも一般的な平…
「山平」肥後守・前期 「山平」肥後守は以前に紹介した「山正」肥後守の小阪富男氏の兄上・小阪延雄氏が製作。今回は横折り鞘の前期(古いもの)を紹介する。 「山平」は、全般に富男氏より作りが丁寧で繊細な感じを受ける。刃、鞘、チキリ、座金といずれも…
無刻印の角刃の「電工ナイフ」 戦前ものと思われる古い角刃の電工ナイフがまだ4本も残っていたので紹介する。残念ながらこれも全て無刻印で詳細が不明だ。 1枚目の2本はほぼ同型で、同じ製造元であろう。グリップはジグドボーンで、表面に黒っぽい塗料が…
エンボス加工の肥後ナイフ「月と兎」 先日紹介したエンボス加工の鞘の電工ナイフの1本に「月と兎」があったが、この肥後ナイフは大きさが異なるもののまったく同じ「月と兎」の図柄のエンボス加工がされている。当然のことながら同じ製造元と見てもいいだろ…
「薩摩健児」 肥後ナイフには「肥後」にちなんでか九州の地名を入れた銘が多々あり、この「薩摩健児」もその典型的な銘の一つ。何処で作られたものだろう。肥後守・肥後ナイフのメッカ・兵庫県か、それとも薩摩の国・鹿児島県か、悩ましいが想像力をかき立て…
電工ナイフ「■丸」 この電工ナイフは、刻印があるのに残念ながら判読できない。戦後のもののようで、1枚目の上はブレイドが典型的な丸形だが、下はやや尖り気味の丸形をしており、電工ナイフというよりはアウトドア用のナイフとして作られたものか。 問題の…