無刻印の角刃の「電工ナイフ」

無刻印の角刃の「電工ナイフ」

　戦前ものと思われる古い角刃の電工ナイフがまだ４本も残っていたので紹介する。残念ながらこれも全て無刻印で詳細が不明だ。

　１枚目の２本はほぼ同型で、同じ製造元であろう。グリップはジグドボーンで、表面に黒っぽい塗料が塗られている。ボルスター（口金）は旧タイプのもので、刃幅と鞘幅がやや細め。刃材は研いでないので正確には分からないが、全鋼のように見える。グリップ長は12㌢。

　２枚目の写真の２本は、ブレイドの長さが約１㌢も違い、ボルスターの形も異なるが、全体的な作りがよく似ており、同じ製造元のものと思われる。グリップは２本ともジグドボーンで、色は着色なしの白っぽい骨の色。使い込んでくると手の油分が染み込んできれいな飴色になりそうだ。

　ボルスターは、下は旧タイプのものだが、上はそれより新しいオーソドックスな形のもの。ブレイドは２本とも１枚目の２本よりさらに細めで、刃厚もやや薄い。刃材はこちらも全鋼のようだ。グリップ長は上が11.5㌢、下が11.8㌢。この違いはボルスターの縦サイズの差によるもの。

　４本ともデッドストック品で、刃はほとんど錆もなく、状態はベストコンディション。ただ日常で角刃のナイフを使うことがないので、紹介したら可哀想だがまたお蔵入りとなる。