蔵の春

肥後守・肥後ナイフ・電工ナイフetc

2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「肥後繁陽丸」

「肥後繁陽丸」 この「肥後繁陽丸」は、典型的な学童用の廉価版といえる肥後ナイフだ。 刻印は、桜花の中に「正」のマークと「肥後繁陽丸」が打ってある。鞘長7.9㌢。刃材は全鋼のように見える。座金は両面ともなし。チキリは切りっ放し。鞘厚が薄く全体的に…

ミニ「電工ナイフ」

ミニ「電工ナイフ」 今回は、可愛いミニサイズの電工ナイフ2本を紹介する。 1枚目の写真のナイフは、サイズが小さいだけで外見や作りは一般的なジグドボーン製のグリップの電工ナイフとほぼ同じ。銘はなく製造元は不明。一般的な電工ナイフは鞘長が11.3㌢…

「カネ定」肥後守

「カネ定」肥後守 この「カネ定」は実用向けのよく出来た肥後守で、マークに富士山が使われているので親しみを感じる。 刻印は、上から6本目までは「別打」と罫線が1本入って中腹に霞棚引く富士山の図柄のマーク、その下に逆さL字に「定」と「登録」「肥…

「肥後福泉」

「肥後福泉」 この「肥後福泉」は、どこか雰囲気のある肥後ナイフで、作りからして「肥後隆義」のOEMのような気がする。 刻印は「商標登録」「本刃付」「肥後福泉」が打ってある。細く鮮明な明朝体の刻印だが「福」の文字だけ旁(つくり)が崩してあり、…

縦折り鞘の肥後守

縦折り鞘の肥後守 この縦折り鞘の肥後守は、刻印に固有銘やマークがなく「肥後守」だけが打たれているもので、製造元など詳細は不明だ。 刻印は「割込正鋼」「商標登録」「肥後守」。戦前のものと思われるが、縦折り鞘としては作りがしっかりとしており、状…

「肥後長盛」

「肥後長盛」 この「肥後長盛」は小さいながら本格的な作りの肥後ナイフで、真ちゅう製の鞘からして高級版として製造・販売されたもののようだ。 刻印は、「本割込」と将棋の駒の枠に「木駒」のマーク、その下に「肥後長盛」が打たれている。入手時は「木駒…

「肥後守を研ぐ」5

「肥後守を研ぐ」5 この石も前回と同じ丹沢山地西部の沢から採取してきたもので、岩石の種類は判らないが、前回の石より粒子が粗いように見える。前回の石もそうだったが、風化が進んでいるためか全面に細かい筋が走っている。 この石を加工する時は、ディ…

「肥後阿形丸」

「肥後阿形丸」 この「阿形丸」は、比較的作りがしっかりとしており、工作用としては及第点の肥後ナイフだと思う。 刻印は「登録」の下に桜花の中に「博」のマーク、「高級」「肥後阿形丸」が打たれている。「登録」の代わりに「商標登録」のものや1本だけ…

電工ナイフ「名宝」

電工ナイフ「名宝」 この「名宝」は、先に紹介した「氏房」と全体の作りがほぼ一緒で、刻印を隠すと区別がつかないほど似ている。製造時期もおそらく同じ頃だろう。 「氏房」は三光商会の登録商標で、元々刀鍛冶だった篠田寛さんという方が昭和30年代から50…

「名刀肥後丸」

「名刀肥後丸」 この縦折り鞘の肥後ナイフは、銘に惹かれてヤフオクで入手した。何となく肥後ナイフの代表格のようなネーミングのような気がしたのだ。 形状からして戦前のもののようで、刻印は「商標」、三角おむすびのような枠の3方の角に外向きの曲線、…

肥後ナイフ「TOKYO 少年」

肥後ナイフ「TOKYO 少年」 この肥後ナイフは、刻印が面白い。裏表に東京タワーと国会議事堂らしき建物がデザインされており、東京観光のお土産物として販売されていたものなのだろうか。 刻印は、表面が「TOKYO」、左斜めに流れる2本の曲線の間に「少年」、…

「菱MS」肥後守

「菱MS」肥後守 肥後守は本当にたくさんの銘があり、残念なことにメジャーなもの以外はほとんど詳細が分からない。 この「菱MS」もそのうちの1本で、しっかりとした作りの実用向きの肥後守だが、製造元は不明だ。銘からするとこのマークは製造元を表す…

「肥後守を研ぐ」その4

「肥後守を研ぐ」その4 この石は、丹沢山地西部の沢を歩いて採取してきたもの。岩石の種類は判らない。この一帯は数年前に集中豪雨に見舞われて甚大な被害を被った。未だ沢沿いのあちこちに爪痕を残しており、この石は土砂崩れの際に沢に流れ込んだものだろ…

「肥後喜久丸」

「肥後喜久丸」 この「肥後喜久丸」は、ヤフオクでもよく見かける肥後ナイフで、手厳しい蒐集家から“ダメ肥後”と呼ばれる類いの一つだ。 刻印は、桜花の中の丸に「KK」が刻まれたマークと「肥後喜久丸」のみ。「喜久丸」の「喜」は漢数字の「七」を3つ重…

「肥後守晴菊」A一級

「肥後守晴菊」A一級 この「晴菊」は、全体的に洗練された作りの肥後守だ。 刻印は「登録」「肥後守晴菊」「A一級」と打たれている。A一級は「肥後司」など幾つかの肥後守・肥後ナイフ銘に使われているが、廉価版の中でも上級レベルのナイフということな…

奇妙なマークの電工ナイフ

奇妙なマークの電工ナイフ 一般的な電工ナイフは、「○駒」など漢字の刻印が多いが、これは電工ナイフらしからぬ奇妙なマークの刻印が打たれている。 ブレイドはドロップポイントタイプで、グリップはジグドボーン製と実用向けのしかりとした作り。電工ナイフ…

肥後ナイフ「蘓山熊城」

肥後ナイフ「蘓山熊城」 この「蘓山熊城」は、肥後守・肥後ナイフらしからぬ銘の珍しい肥後ナイフで、蒐集家にとってはこうした珍品を入手できると喜びも格別です。1文字目の「蘓」は「魚」ではなく4つ点が「大」で、ワープロでは変換が出来なかったのであ…

「肥後司春重」特大サイズ

「肥後司春重」特大サイズ 「肥後司春重」は、このブログを開設した時に「はじめの1本」として紹介したものと同じ製造元の肥後ナイフだ。 刃は戦前の肥後守・肥後ナイフの特徴でもある“とんがり刃”。丁寧に研ぎながら使われていたようで、元の形状を保持し…

「明星肥後」

「明星肥後」 この「明星肥後」はメジャーな肥後ナイフではないが、刻印が4種類もあることから戦後にそこそこ量産・販売されていたものではなかろうか。 1枚目の写真の1本目は鞘材も厚く、刃厚も2.5㍉あり堅牢な作り。刻印は星の中に「NO1」のマーク、「…

木製グリップの「本駒」

木製グリップの「本駒」 「本駒」は、四国徳島の大桑製作所(昭和53年に廃業)が製造していた電工ナイフで、以前にボルスター(口金)に「木瓜」の絵柄が刻まれた古い電工ナイフを紹介したが、今回は定番の木製グリップタイプを紹介する。 3枚の写真はそれ…

「肥後守一成」

「肥後守一成」 この縦折り鞘の桜に「忠」のマークの「肥後守一成」は、状態は悪いが作り自体はしっかりとしており、縦折り鞘としては実用タイプといえる。 1本目のものは、鞘長9.8㌢。鞘は分厚く丈夫そうだが、保存状態が悪かったのか光沢のクロムメッキが…

「播磨守」

「播磨守」 肥後ナイフには、以前紹介した「加東守」など兵庫県の旧国名・地名に因んだ銘のものが幾つかあり、「播磨守」もその一つ。「播磨国」というと今の兵庫県南西部で、地図で見ると加古郡に「播磨町」という所がある。この辺りは昔から刃物の生産が盛…

「觀龍」肥後守

「觀龍」肥後守 家族が欠けるのは寂しいものですね。気を取り直して本日からブログの更新を再開します。 この「觀龍」肥後守は、『暮しの手帖』59号の商品テスト企画「220本の肥後守をテストする」で第6位となった。 1枚目の写真の2本は特大サイズで、鞘…