蔵の春

肥後守・肥後ナイフ・電工ナイフetc

「肥後守を研ぐ」5

肥後守を研ぐ」5

 この石も前回と同じ丹沢山地西部の沢から採取してきたもので、岩石の種類は判らないが、前回の石より粒子が粗いように見える。前回の石もそうだったが、風化が進んでいるためか全面に細かい筋が走っている。

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 この石を加工する時は、ディスクサンダーを用意するのが面倒なので、比較的平らな面を荒砥で擦って研ぎ面を出そうとした。しかし、思いのほか固くて作業は難航し、全面平らにならないうちにバネ指が痛くなって中断してしまった。最初からディスクサンダーで全面を大まかに平らにしておくべきだった。

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 それでも8割方は平らになっているので、試し研ぎ。いつもの割込の「肥後隆義」をダイヤ砥石の800番でざっと研ぎ、最初は水で濡らしただけで研いだところ、予測はしていたが研ぎ面の養生が足りないようで擦過痕が目立った。

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 そこで秘密兵器の小豆色の石で擦ってから研ぎ直し。すると効果てき面で、擦過痕がやや残るが鍛接線の出もよく、これはこれで良しとする。今回も小豆色の石が養生不足を補ってくれた。

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 この沢は、大雨が降って川が荒れたあとなどによく出掛けた。砥石になりそうな石があるにはあるのだが、小さ過ぎたり風化して脆かったり、形が悪くて平面を出すのに難儀しそうだったりとなかなか良い石は見つからない。それでも何つか採取してきて試し研ぎをしてみたが、肥後守・肥後ナイフはどうにか研げるものの、正直言って砥石と呼べるレベルなのか分からない。砥石に関して素人なのでその辺は目をつむり、高価な砥石ではなく山間の沢や林道沿いで採取してきた石でナイフが研げるかどうかを試して楽しんでいる。