蔵の春

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電工ナイフ「氏房」

電工ナイフ「氏房」

 この「氏房」は、先に紹介した「元駒」や「仙蔵」「玉廣」と並ぶジグドボーンのグリップの代表的な電工ナイフだ。

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 ナイフマガジン2006年2月号の特集「電工ナイフ・海軍ナイフ」(後編)によると、「氏房」は三光商会の登録商標で、元々刀鍛冶だった篠田寛さんという方が戦時中は「氏房」という刀匠銘で軍刀を作り、戦後は電工ナイフや果物ナイフを作っていたという。製作期は昭和30年代から50年代のようだ。

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 ブレイドは、上2本のドロップポイントと3本目の先が少し尖ったタイプの2種類あり、3本目は竹笹のネイルマークが彫られている。グリップはいずれもジグドボーン製で、この時期の電工ナイフのスタンダードモデルともいえそうだ。

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 刻印はブレイドに「氏房」のみで、竹笹のネイルマークのものはリカッソに「割込」の打刻がある。鞘長11.4㌢。ボルスターは真ちゅう製の横溝が1本入ったタイプ。刃材は上の2本は全鋼のように見える。

都合により今週いっぱいブログの更新をお休みします。