蔵の春

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肥後ナイフ「肥後三菱」

肥後ナイフ「肥後三菱」

 「肥後三菱」は、学童用の肥後ナイフの一つだ。今日では筆記用具といえばほとんどがボールペンやシャープペンシルだが、子供の頃は鉛筆が主流で、その一つに「三菱鉛筆」があった。いつものように勝手な憶測だが、この肥後ナイフの銘は鉛筆削り用として筆箱に入れておいてもらうように、当時の代表的な鉛筆の商品名にちなんでつけたのだろうか。

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 鞘表に「商標」、家紋の「三階菱」の中にKHSのマーク、「肥後三菱」「割込」の刻印がある。「KHS」は何の略だか分からない。1番上は刻印が明朝体だが、下の2本はもう少し崩してある。大きさに関わらず刻印はこの2種類のようだ。

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 1本目は黒のクロムメッキで、両面に座金がありクロムメッキの菊座金のように見える。その下は光沢のクロムメッキで、両面とも座金なし。1番下は元は黒のクロムメッキだったようだが剥げ落ちと錆でやや汚い。こちらも両面とも座金なし。大サイズは鞘長9.8㌢、小サイズは8.2㌢。

 はじめに学童用の肥後ナイフと記したが、1本目は比較的しっかりとした作りで、採点したら及第点は取れそうな気がする。価格設定による作りの差だと思うが、他の2本はちょっぴり残念だ。
 刃材は割込で、刃の形状が宗近に似ている。もしかしたら宗近のOEMの1つかもしれない。