蔵の春

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電工ナイフ「■丸」

電工ナイフ「■丸」

 この電工ナイフは、刻印があるのに残念ながら判読できない。戦後のもののようで、1枚目の上はブレイドが典型的な丸形だが、下はやや尖り気味の丸形をしており、電工ナイフというよりはアウトドア用のナイフとして作られたものか。

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 問題の刻印は、ブレイドの根元のリカッソにある。「登録」の登と録の間に「■丸」と打たれている。■としたのは2本とも四角の中の部分がつぶれており、ルーペで見ても文字が判読できないから。なにも登録の文字の間に打たなくても良さそうなものだと思うが、打つ場所が狭いリカッソなのでこんな風になったのかな。

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 何とか判読したくて色々と試みた。初めは先入観から「関」に見えたが、やはり「口構え」に何とかという文字のようで、「国丸」か、それとも「田丸」か、などと口の中に思いつく文字を当てて見たところ、一番しっくり来るのは「国丸」だった。どうだろうか。この刻印のものは、掲載した2本しか所有していないので、これ以上の追求は断念する。

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 刃材は両方とも割込で、ブレイドが分厚く丈夫そうだ。グリップはジグドボーンの11.5㌢。大まかだが丁寧に滑り止めの模様が彫られている。