蔵の春

肥後守・肥後ナイフ・電工ナイフetc

「文化刀」

「文化刀」

 この「文化刀」は、以前に記述した「安全ナイフ」と同様に刃物の排斥運動という時代的背景の中で生まれた鉛筆削り用のナイフの一つだろう。

イメージ 1

 刻印は、鞘表に「文化刀」のみが打たれている。刻印がダブっているのが残念だ。鞘裏には「実願一三七二号」の打刻もある。

イメージ 2

 サイズは鞘長6.3㌢で、鞘は真ちゅう製。刃材は全綱で、刃厚が1.9㍉。刃は上弦の月のような曲刃で、「安全ナイフ」は片刃だったが、こちらは両刃だ。座金は鞘表のみ平座金が付いている。

イメージ 3

 全体的に作りがしっかりとしており、鉛筆削り用としては「安全ナイフ」より完成度が高いが、ちょっと複雑な思いだ。