縦折り鞘の
肥後守6
今回は、戦前に作られたと思われる縦折り鞘の
肥後守を紹介する。
入手した時は無銘だと思っていたが、よく見ると部分的に薄っすらと
肥後守の刻印があった。鞘の状態が悪い上に刻印の打ち方が浅いので無銘と勘違いしてもおかしくない。
サイズは鞘長8.8㌢。鞘には半光沢のクロムメッキが施されていたようだ。刃材は全綱のようで、刃厚は1.7㍉。少し研ぎ減りしているが、刀身は元々やや細めだったように見える。座金は両面ともスチール製の菊座金で、チキリは小さめでやや雑な作り。
この個体も量産されたものではなさそうだ。作りはそれほど悪いとは思わないが、どことなく垢抜けない感がある。