縦折り鞘の
肥後守 10
今回は、戦前に作られたと思われる縦折り鞘の
肥後守を紹介する。
刻印は、残念ながら「
肥後守」しか判読できない。このような状態のものを見るたびにいつも思うことだが、刻印はもっと丁寧に打って然るべきものではなかろうか。
サイズは鞘長8㌢で、鞘には光沢のクロムメッキが施されていたようだ。刃材は全鋼で、刃厚が1.5㍉。うっすらと
シノギのラインが残っている。だいぶ研ぎ減りしているように見えるが、刀身が元々細身なのだろう。
座金は、両面とも小さめ真ちゅう製の菊座金が使われている。チキリは薄めに丁寧に成形されている。鞘材が1㍉厚ということで縦折り鞘タイプによくあるヘラヘラ感はない。