縦折り鞘の肥後守 17
縦折り鞘の肥後守 17
今回は、戦前に作られたと思われる縦折り鞘の肥後守を紹介する。
刻印は微かに読める程度で、一番上が「肥」のようなのでおそらく「肥後守」と打たれているのだろう。作りは良いのに刻印の打ち方が甘いのはちょっと残念だ。
サイズは鞘長10㌢で、黒いクロムメッキが施されている。刃は初期の頃の特徴でもあるトンガリ刃で、わずかにシノギのラインが残っている。刃材は全鋼のようだ。刃厚は1.8㍉。座金は両面とも真ちゅう製の菊座金。チキリは丁寧に成形されている。
鞘材はやや薄めだが見た目よりもしっかりとしており、丁寧に研ぎを重ねていたようで刀身の形状もまずまず。製造元は分からないが確かな技術が見て取れる。