縦折り鞘の肥後守19
今回は、戦前に作られたと思われる縦折り鞘の肥後守を紹介する。
刻印は、打刻が甘かったようではっきり判読できるのは「守」だけだが、その上にわずかに「後」の一部らしきものが見えるので、おそらく「肥後守」と打たれていたのだろう。
サイズは鞘長9.8㌢で、鞘にはクロムメッキが施されていたようだがほぼ剥がれてしまっている。刃材は全鋼のようで、刃厚が2.5㍉。座金は両面とも平座金。チキリは丁寧に成形されている。
刻印は残念だが縦折り鞘にしてはしっかりとした作りで、作り慣れた職人の手による実用本意の肥後守と言えそうだ。経年の劣化はあるがまだ十分に使える。