「肥後健司」

「肥後健司」

　この「肥後健司」は、しっかりとした作りの申し分のない肥後ナイフだ。

　刻印は「高級」「肥後健司」のみが克明に打たれている。高級の「高」は“はしご高”が使われている。商標登録の刻印が打たれていないので、未登録の銘なのだろうか。所有している「肥後健司」はこれ１本だけなので残念ながら確認できない。

　鞘長12.2㌢の特大サイズで、鞘材はステンレス。面白いのは鞘尻の幅が2.㍉だが、カシメの位置で1.8㍉と先に向かってやや細くなっている。こうした形状の鞘は初めて見るものだ。

　刃材は全鋼のようで、刃厚が2.7㍉と厚い。座金は両面とも平座金。チキリは丁寧に成形されている。全体的な作りからして、高い技術を持つ製造元によるものであることは間違いないが、それ以上のことは分からない。

　話しは変わるが、先日、ウォーキングイベントに参加した際、立ち寄りポイントの小田原城・二の丸広場で骨董市が開かれていたので、会場内を巡って肥後守・肥後ナイフを探してみた。２０ブースほど出店していたが、その内の３カ所のブースで計７本をゲット。以前から欲しかったものや思いがけない掘り出し物なども含まれており、赤サビを落として少し手入れをしてから紹介させていただきます。