この「
利光」は、『
暮しの手帖』の商品テスト企画「220本の
肥後守をテストする」で栄えある第1位となった
肥後守で、カネ駒のOEMの一つだ。
刻印は「
肥後守利光」が打たれているだけで、カネ駒のOEMにも関わらず商標登録の表示がない。販売元は東京
日本橋にある刃物など金物を製造販売する江戸時代中期創業の老舗「木屋」のようだ。
鞘長9.8㌢の大サイズ。刃材は割込で、刃厚が2.8㍉とサイズの割に厚い。刃裏の根元に「青紙割込」の打刻がある。鞘材は光沢のステンレスで、座金は両面とも真ちゅう製の平座金。カシメはカネ駒と同じく表面が頭の大きなもの。チキリは丁寧に成形されている。
この個体は、先日紹介した
小田原城・二の丸広場で開かれていた骨董市で入手した内の1本。「
利光」は意外と入手が困難で、
ヤフオクにも年に数本程度しか出品されない。発見したブースにはこの他に真ちゅう製のカネ駒が2本並んでいたが、いずれも高額だった。「
利光」はぜひとも欲しかった銘なので値切り交渉し、箱の蓋がなかった分少しだけ値引きしていただいた。