蔵の春

肥後守・肥後ナイフ・電工ナイフetc

「青葉」その2

「青葉」その2

 以前に武骨で味があるナイフ「青葉」を記載させていただいたが、今回はまるで別物の「青葉」。状態がひどいのでボツにしようと思ったが製造元の名誉回復のためにあえて紹介させていただく。

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 刻印は、鞘表に前回のものと同様に「登録」と「青葉」が打たれている。加えて鞘裏には「意匠登録」「第六九〇八号」の刻印がある。

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 サイズは鞘長8.5㌢で、鞘にはおそらく光沢のクロムメッキが施されていたようだが、わずかに痕跡が残す程度。刃材は全鋼のようで、こちらもサビに浸食されて無惨な状態だ。刃はスリップジョイントで、まだ90度と180度でぱちっと止まる。

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 前回のものは頑丈な作りの実用的なナイフで、しかもデッドストックだったが「刃の形状や仕上げ具合も見てもどこか作り慣れていないような感がある」と記した。しかし、今回のものは状態が悪いのは差し置いて鞘にエンボス加工が施されているなど、同じ製造元とは思えないほど高い技術力が見て取れる。