蔵の春

肥後守・肥後ナイフ・電工ナイフetc

「強力 萬年ナイフ」

「萬年ナイフ」
 今日も初夏の陽気となり、午前中に猫の額ほどの花壇の草取りをしたら大汗をかいてしまった。ブログを開設して今日で早6日目。1週間から10日ぐらいは毎日更新していくつもりでおり、夕飯を食べる前の日課になりつつある。

 写真のナイフは、ご覧の通り一見して「ゴツイ」ナイフだが、作りは意外と丁寧。鞘厚でチキリも大きく、工作などにチマチマ使うタイプというよりは、野外で少々乱暴に使っても大丈夫な堅牢な作りのナイフだ。
 鞘の表面に「強力 萬年ナイフ」の刻印があるが、こんなに大きな文字の刻印のナイフは他に知らない。刃の根元には「登録 強力」の刻印あり。
 それにしても「強力」「萬年ナイフ」というネーミングはユニークだ。強力は、重い荷を背負子で山に担ぎ上げる職業の人たちの呼称。新田次郎の小説『強力伝』の主人公のモデルとなった富士山の強力・故小見山正氏(金時山の山頂にある金時茶屋を営む金時娘・小宮山妙子さんの父)がよく知られている。由来は分からないが謎めいた面白いナイフだと思う。
 所蔵している「萬年ナイフ」3本は、個々にヤフオクで入手したものだが、いずれも刃が同じように研ぎ減りしており、所有者が研ぎ直しをしながら大事に使っていたことを物語っている。こうした研ぎ減りしたナイフを見ると、ついついどんな人がどんな使い方をしていたのだろうかと思いを馳せてしまう。
 サイズは鞘が12.5㌢。刃材は割込。座金は真ちゅう製の菊座金。

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