蔵の春

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肥後ナイフ「つる・まつ」

肥後ナイフ「つる・まつ」

 この鞘がエンボス加工の肥後ナイフ「つる・まつ」は、先日、ヤフオクで落札したもの。

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 肥後ナイフとしてはかなりの珍品で、実は10年ほど前にヤフオクで見つけた際、入札価格が高騰してしまったため「またの機会の楽しみに」と途中で断念した。それ以来、ヤフオクで見かけることなく随分長く待たされてしまったが、今回は幸運にも落札することができた。ただ、前回のものはチキリがあるタイプで、今回のものはチキリがないのでちょっと残念だ。

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 鞘に施されているエンボス加工は、両面とも同じ図柄の鶴と松の木で、片面に平仮名で「つる」、もう片面に「まつ」の文字がある。鞘長8.5㌢。鞘には味わい深い銅メッキが施されている。刃材は全鋼。座金は桜の花のような形になっているが、これは座金ではなくエンボス加工で浮き出したもの。

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 これが珍品と言われる由来で、以前に紹介した「山平」肥後守は座金状に内側から打ち出されているが、座金の部分にこうした加工を施しているものはほとんどなく、しかもこれほど凝った加工は他に類がない。