蔵の春

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「タガネ彫り」の肥後守 その4

「タガネ彫り」の肥後守 その4

 今回は、戦前に作られたと思われる真ちゅう製の縦折り鞘の肥後守を紹介する。

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 刻印は、「商標登録」と「肥後守」のみが打たれている。「商標登録」は打刻だが、「肥後守」はタガネ彫りで、一部は不鮮明だが比較的バランス良く刻まれている。

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 サイズは鞘長9.4㌢で、刃材は全鋼のように見える。刃厚は1.6㍉。刃の形状は、肥後守の初期のものによく見られるトンガリ刃ではなく角刃。残念ながらだいぶ研ぎ減りしており、おまけに先が少し欠損している。

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 座金は両面とも真ちゅう製の菊座金。チキリは薄いが成形は丁寧で、チキリ穴あり。鞘材が薄くペラペラ感があり、固いものを切るには余り向いていなかっただろう。