蔵の春

肥後守・肥後ナイフ・電工ナイフetc

「山正肥後守 秋水」本割込

「山正肥後守 秋水」本割込
 この「秋水」とはラッキーな出会いだった。数年前にヤフオク肥後守をチェックしていて発見。写真で見る限り鞘の一部に深そうな腐食が見られるうえ、刃の峰が叩かれて少しつぶれているようで、状態は余り良さそうではなかった。それでも「秋水」であり、スタート値が安価だったので迷わずポチ。すると、すんなり落札できた。
 ここまでは良かったが、出品者から取引き連絡が来て唖然とした。なんと「出品した肥後守が見つからない」とのこと。あり得ないことだと少し憤慨し「急ぎませんからもう一度探して下さい」と返信すると、翌日に「見つかりました」と連絡が入り、ひと安心。
 以前にも、ショップから出品の肥後守を落札したところ、「他の店員が店の客に売ってしまった」と連絡があったことがあった。その時はまだ支払いが済んでいなかったので、腹が立ったが取引き中止を承諾。その出品者は、お詫びにと後から別の肥後守を無料で送って下さった。
 また、出品者が落札商品を発送したが途中で行方不明になったこともあった。この時は運送会社からの詫び状一枚で、落札価格の振り込み損だった。時たまこうしたトラブルが発生する。
 さて、落札した「秋水」が無事見つかったので、取引きを続行。届いた「秋水」を見て驚いた。確かに状態は良くないのだが、刃の根元に何と「本割込」の刻印があったのだ。
 以前に兵庫県の出品者から秋水や萬成肥後守、トップマン肥後守を入手した際、その方から「本割込の刻印の入った秋水を持っている」と聞いていたのでその存在は知っていたが、まさかこんな形で入手できるとは思いもしなかった。肥後守を蒐集していると、色々と小さなドラマが生まれて楽しい。
 サイズは鞘長9.7㌢で、鞘が他の秋水よりやや細め。所有している秋水の中で唯一チキリ穴がある。

イメージ 1

イメージ 2