蔵の春

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エンボス加工の「電工ナイフ」

エンボス加工の「電工ナイフ」
 電工ナイフのグリップと言えば一般的には木製が大半で、古いものにはこれまで何点か紹介したようにスタッグホーンやジグドボーンのものがあるが、今回は金属板をエンボス加工した珍しいタイプを紹介する。

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 1枚目の写真の2本は、ちょっと分かりずらいが「竜」がデザインされた同一のもの。グリップの両面全体に手の込んだ模様の図柄が加工され、1本目は真ちゅう、2本目は銅か真ちゅうのメッキが施されていたようだ。新品の頃はさぞ金ピカで、仕事に使うには勿体ないような綺麗なナイフであっただろう。

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 2枚目の写真のナイフは、やはりグリップにエンボス加工で月と芒と兎の同じ図柄が表と裏の両面に描かれている。どちらかと言えば、こちらの方がシンプルで好みかな。重量感があるが、握ってみると3本とも見た目より軽く、ブレイドも上物で、見映えだけでなく実用性を兼ね揃えた作りになっている。

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 高い技量をもった製作所の製品ということは分かるが、製造元が不明。図柄こそ違うが、全体的な作りが似ているので3本とも同じ製造元かもしれない。
 残念なことにグリップは材質やメッキの問題か、それとも保管の仕方が原因か分からないが、すこぶる状態が悪い。この3本以外にも数本所有しているが、もっと錆が酷い。磨けば写真写りが良くなるだろうが、雰囲気が変わりそうなので、入手したそのままの状態で保管している。
 鞘長はいずれも12㌢で、刃材は割込。